2005年12月05日 |
東ソーの田代会長と土屋社長が会見 |
機能商品事業の拡充に意欲を表明 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:東ソー |
東ソーの田代圓会長兼CEOと土屋隆社長は2日夕に定例記者会見を開き、同社グループの業績概要を紹介するとともに現在実現に取り組んでいる当面の経営課題の内容を明らかにした。 うち当面の経営課題については、両首脳とも「より強力な企業基盤を構築して長期発展を遂げていくには機能商品事業のもう一段の充実・強化が不可欠」と強調、同社特有の新たなスペシャリティ製品の開発・育成に一層積極的に取り組んでいく考えを披露した。 両首脳の発言概要は以下の通り。 【田代会長の話】 ○04年度の東ソーグループの業績は、売上高、営業利益、経常利益の全てが史上最高の規模となり、東ソー本体の創立70周年を飾るに相応しい内容の決算となった。また、長期にわたる圧迫材料となっていた巨額の特別損失の処理も終了、企業体質を大きく改善できた。これには、IT産業の成長・発展や中国市場の拡大といった外部環境の好転とビニル・イシシアネートチェーンの強化やスペシャリティ事業の拡充など当社グループ全体の構造改革の進展とがぴったり合致した点にあるといえる。 ○しかし05年度は、原燃料の高騰と中国市場の調整局面入りで事業環境が大きく変わってきた。中・長期展望に立ってのコスト競争力をきちんと見極めたうえで、変化に対して機敏に対応していくことが重要となってきている。 ○重点課題の一つは新しいスペシャリティ製品によるチャレンジ事業の育成であり、そしてもうひとつはビニル・イシシアネートチェーンの一層の拡充である。前者について言えば、現在は科学計測、有機化成品、機能材料、電子材料の4部門で構成されるスペシャリティ事業部門が全体の営業利益の5割を稼いでいるので同部門の貢献度は極めて高い。しかし、今後の当社グループのより一層の発展を支えていくには新しい製品の開発と育成が不可欠だ。一方の後者については、南陽事業所内で取り組んできた電解ソーダ、VCM、一酸化炭素、アニリン、MDI等々の各種戦略設備投資が一通り完了したものの、今後一段と厳しくなる国際競争を考えるとさらなる増強が必要となる。アニリンや一酸化炭素の第2号機の建設や電解設備やVCM設備の増強、さらには自家発電設備の拡大などを時期を逸することなく実施し、より強い東ソーグループの構築を実現していきたい。 【土屋社長の話】 ○現在の東ソーグループは「環境に適応し常に進化する企業群」「豊かな収益力を持つ企業群」「全社員が能力を出し切っている企業群」--の3点を企業理念に掲げて成長・発展を目指している。さいわい04年度は史上最高の業績を達成でき、また05年度の上期も引き続き好調を維持することができた。これには、スペシャリティ商品事業の拡充が大きく寄与している。今年度の全体の営業利益の半分はスペシャリティ製品部門でカバーできる見込みにあり、いまや東ソーグループは多くのスペシャリティ製品を持つ企業群に大きく変身したと言って過言でない。 ○今後も厳しくなる一方の国際生存競争を勝ち抜き、かつ社会全体の大きく貢献していくには、がん細胞の遺伝子検査試薬や液晶向けスパッタリング・ターゲット、電解二酸化マンガン、石英ガラス、ジルコニアといった既存の当社特有の機能製品の育成と、新しい多くのスペシャリティ製品の開発がどうしても必要となる。一方のコモデティ部門では、ビニル・イソシアネートチェーンのもう一段の強化や石化原料の多様化などで事業基盤の強化が重要となる。前述した3項目からなる企業理念をきちんとクリアすることでハイブリッドカンパニーとして成長していきたい。 |