2005年12月05日
東レ、DNAチップ研究所と高性能DNAチップ 共同開発
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:東レ

 東レと株式会社DNAチップ研究所(本社:横浜市、松原謙一社長=DNA研)は5日、東レが開発した高性能DNAチップ基板と、DNA研が産業技術総合研究所と協力して開発したオリゴDNA合成及び設計技術を組み合わせた、高性能DNAチップを共同開発することで合意したと発表した。

 まず、来年4月に酵母の全遺伝子(約6千)を搭載した網羅型チップを上市する。その後、1〜3万のヒト遺伝子を搭載した網羅型チップを上市し「研究用途」のDNAチップ事業を拡大していく予定である。

 さらに、東レの高性能DNAチップ基板の高い再現性・定量性と、双方の疾患関連遺伝子探索の成果を活かして、2年後をめどに癌や生活習慣病などをターゲットにした「検査・診断用途」DNAチップの共同開発を計画。10年後には売上高1千億円以上とされるDNAチップ市場進出を狙う。

【東レ開発の高性能DNAチップ基板】
 特徴ある形状の基板とマイクロビーズを用いた反応時の攪拌方法およびナノレベルの分子制御による遺伝子の固定技術などの独自技術を開発し、これらによる超高感度(従来のDNAチップの最高で100倍)、高再現性・定量性、高速(従来の10倍)DNAチップの開発に成功してきた。

【DNA研開発のオリゴDNA技術】
 DNA研は独立行政法人産業技術総合研究所ゲノムファクトリー研究部門(小松康雄・核酸工学研究グループリーダー)と協力し、DNAチップのコストに大きく影響をおよぼす基板に搭載する遺伝子を安価、高純度かつより強固に基板に結合できる特殊なオリゴDNAの開発に成功するとともに、その設計においても遺伝子情報の精度を格段に高めることができる特異性及び反応性の高い技術を東京大学大学院新領域創生科学研究科森下真一教授とともに開発してきた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1133759215.pdf