2005年12月05日
三井化学、BPAの1Qの輸出価格を1,450ドルでオファー
アジア地域向けは引き続きPC向けに限定の方針
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はこのほど、タイ、台湾、韓国、中国など各国のBPA(ビスフェノール-A)の需要家各社との間でPC(ポリカーボネート)向けBPAの来年1〜3月期の輸出価格交渉を開始した。同社ではトン当たりCFR1,450ドルを提示、受け入れを強く求めている。
 
 同社が契約済みのPC向けBPAの今年10〜12月期分の輸出価格は平均同1,500ドルとなっている。したがって、今回のオファー価格は同50ドルの値下げということになる。これは、主原料のベンゼンの国際価格が下降線をたどっている点を考慮してのもの。
 
 PCの需要はアジア全域で引き続き順調な伸びを遂げており、同地域の同樹脂メーカーはいずれもフル稼働を続けている。対するBPAのPC向け品種の供給能力は、BPAのニューカマーである長春石化やLG石化の工業化品種がエポキシ樹脂(EX)向けに限定されているため依然として従来と同じ規模にとどまっており、したがって需給は引き続きウエルバランスとなっている。このため、今回の同社の提示価格が同地域のPCメーカーに受け入れられる素地は十分にあるといえる。
 
 三井化学は、今年7月以降はBPAの輸出を専らPC向けに絞っている。これは、同じBPAでもEX向けの価格が過当競争によって急落し、採算の確保が不可能となってきたことに対応してのもの。今後もEX分野における市況の回復は望み薄と同社では判断しており、需給バランスが改善されるまでは引き続きPC向けに的を絞っていく構えだ。