2005年12月07日
ナフサのスポット価格、亜・欧の両域で再騰
極東向けの1月ものは再び500ドル台に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 エチレンセンター筋の調べによると、ナフサの国際スポット価格が今週に入ってアジアと西欧の両地域で再び急上昇してきた。うち極東向けは500ドル台に戻っている。

 ここにきての国際スポット相場は北西欧市場が先行、それを極東向けが後追いするかたちで上がっており、6日の北西欧の平均価格(CIF価格)はトン当たり490ドル弱、極東のC&F価格は同512ドル弱となっている。

 先月末に比較すると、北西欧のCIF価格は同37ドル、極東のC&F価格は同35ドルのアップとなる。反騰の要因は、欧米を同時に襲った寒波によって原油のスポット相場が大きく吊り上げられたことにあると見られる。

 わが国の石油化学誘導品メーカーの間には、11月下旬に入ってナフサのスポット相場が急落して以降、来年1月中旬以降の輸入ナフサ価格が下降すると期待する向きが増えていた。欧米とも今冬は暖冬となるので原油もナフサも上昇する可能性はきわめて低いとみていたからだ。

 しかし実際には500ドルの大台割れがきわめて短期間で終了、しかもここにきて石油企業や大手商社の多くが今後よほどの暖冬にならない限り原油は高止まりが続くとの見通しを出している。為替の行方と併せてなお注意深く国際相場の動きを見ていく必要がある。