2005年12月07日
東レ、最先端半導体向けCMP研磨パッドを開発 来年1月上市
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは7日、ポリマーナノ分散技術を使い、最先端の12インチウェハプロセスに対して世界トップレベルの性能を持ち、ハロゲンフリーのCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)研磨パッドを開発したと発表した。
 
 新開発の研磨パッドは、従来品に対して主特性である平坦化特性に優れるとともに、ウェハ表面の研磨傷(マイクロスクラッチ)の発生を格段に低減できることから、高機能化とコストダウンが同時に解決できる。大手半導体メーカーの評価も良好なため、来年1月から出荷を開始する。

 CMP研磨パッドは、通常、微細な多孔構造を持つ研磨シートとクッションシートの2層構造からなり、研磨シートとして塩素を含むポリウレタンに硬質のマイクロバルーンを分散させることで多孔構造を形成、クッションシートとしては発泡体を使用した製品が普及している。
 
 しかしここ数年、半導体ウェハの大口径化と半導体デバイスの微細化に伴い、デバイス製造の平坦化工程としてのCMPプロセスに要求される性能も厳しくなってきた。

 12インチウェハに対応した最先端半導体工場では、研磨パッドを単に大型化するだけでなく、デバイス微細化の著しい進展により、平坦化特性のさらなる向上、ウェハ表面の研磨傷の大幅な低減が求められている。

 そこで同社は、マイクロバルーンを用いず、独立気泡構造を持つ新開発のウレタン系ナノ分散コンポジットポリマーを研磨シート材に、非多孔質の高耐久性エラストマーをクッションシートに用いることにより、従来品では達成できなかった優れた平坦化特性を達成した。ポリマーナノ分散技術の適用により、ハロゲンフリー化を達成したため研磨シートに塩素を含んでいない。
 
 なお同社は、国内最大の半導体製造装置・材料の国際展示会「セミコンジャパン2005」(12月7日-9日)に、次世代対応CMP研磨パッドの試作品を展示中 。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1133943027.doc