2001年09月11日
旭硝子財団、「第10回地球環境問題アンケート」の結果を発表
世界全体の「環境危機時計」、“極めて不安”な時間帯に
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子財団はかねてから世界各国の政府や民間の環境問題に携わる有識者を対象に「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」を毎年実施してきているが、今年度も多くの回答を得ることができ、集計作業もスムースに終了できたため、その結果を11日に発表した。
 
 今回のアンケートは10回目のもので、調査項目は「環境危機時計」「アジェンダ21の進捗状況」「ライフスタイルの変更」(以上は従来からの継続テーマ)「地球温暖化防止—京都議定書発効のための条件」「水問題」「環境ホルモン問題」「30年後の地球環境の予想」(以上が新規テーマ)--の7件。調査期間は4月から6月末まで。アンケート用紙の送付数は3,938(186ヵ国)。回収数は684(101ヵ国)であった。
 
 毎年、関係各方面で特に大きな話題を呼んでいる「環境危機時計」に関する今回の回答は、“昨年に比べて時計の針が12分進んで9時8分となった”との意識調査結果になっている点が注目される。「環境危機時計」における9時1分から12時までの時間帯は「環境に対して極めて強い不安感を持っている」状態を指すものであり、したがって今回の回答は、多くの識者が環境問題について再び厳しい危機意識を持ち始めたことを表していると見ることができる。
 「地球温暖化防止」に関するアンケートでは、京都議定書の発効条件として多くの先進国が“”先進各国の国内制度の整備が重要”と回答、一方の途上国が“先進国から途上国への援助が不可欠”と答えている点が目を引く。また、温室効果ガスの削減対策に関しては、“国民に対する教育・啓蒙が大切”という回答が多かった。日本の識者の回答では“産業界のグリーン化が重要”という答えが多数を占めた。
 また、「30年後の地球環境の予想」では、全体の68%が“悪くなっている”と答えている。一方、「環境ホルモン問題」については、“差し迫った危機を感じない”という答えは海外全体で4%、日本で2%に過ぎず、ほとんどの回答者が同問題に対して強い危機意識を持っていることがうかがえる回答となった。