2005年12月09日
旭化成ケミ、ANの12月の輸出価格を据え置き
タイ、台湾、韓国の需要家の同意得る
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは、AN(アクリロニトリル)の12月の輸出価格を今年12月と同じレベルに据え置くことにしてタイ、台湾、韓国の需要家各社の同意を得た。続いて中国のAN繊維ならびにABS樹脂メーカーと交渉中で、これについても早期決着を図りたいとしている。
 
 同社はANの輸出価格については10月、11月と2ヶ月連続で底上げしてきた。出発原料ナフサの高騰に対処してのもので、10月にはトン当たり100ドル、続く11月には50〜70ドル幅の値上げをそれぞれ実施した。この結果、アジア各国向けの11月のコントラクトもののCFR価格は同1,450〜1,500ドルとなっている。
 
 そして続く12月もこれを維持していくことにしてアジア各国の需要家と交渉を進めてきた結果、総輸出量の7割方を占めるタイ、台湾、韓国の3カ国の需要家から相次いで同意を得たもの。一方の中国のユーザーは、これまでの上昇分を製品価格に転嫁できていないことを理由に値下げを求めているという。これには、今年春にBP/上海石化が年産26万トン設備を立ち上げたのに伴いANの国内自給能力が一気に同80万トンに拡大したことを背景に輸入を抑制する考えに傾くところが出てきたことも作用していると見られる。
 
 これに対して旭化成ケミカルズでは、あくまでも採算を重視していく考えであり、結果として数量面での対中依存度が低下しても止むを得ないとしている。