2005年12月12日 |
中国の塩ビ輸出が急増、10月1.7万トン |
原油高が「引き金」各地にカーバイド法設備完成 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外) 【関連企業・団体】:なし |
中国の塩ビ樹脂の輸出が急増している。8月まで月間3,000トン台だった輸出が、9月には5,800トンに増え、10月には17,000トンとさらに大幅増加した。昨年の輸出量は年間合わせても17,000トンだった。 急増の理由はよく分からないが、商社筋では「原油価格の高騰」を第一に挙げている。原油の高騰によって相対的にカーバイド法塩ビのコスト競争力が“復活”した。これが引き金となって地方各地に中小型のカーバイド法設備が続々誕生したというわけだ。 カーバイド法塩ビの場合、製造コストは原油価格30ドルでエチレン法とイーブンといわれてきた。原油が安ければだめだが、50ドル台ともなれば、エチレン法と競争できる。そういうことで新興メーカーが相次いで進出した。そのプラント数も100件とか200件とかいわれているが、正確な数字はつかめていない。 一方、エチレン法にも、LG化学・天津工場のように大型増設を行なったメーカーが複数あると伝えられている。当然国内の需給バランスにも影響は出てくる。現に輸出を行なっているのは、これらのエチレン法メーカーとみられている。 輸出先は、やはり途上国が中心だ。問題は品質レベルがどうかだが、これも実はわが国ではまだ正確につかめていない。しかし商社筋では「品質は、もともと硬質パイプ用などの分野だったらあまり問題にならない。それより中国の経済活力はすごく旺盛だ。これからもどんどん出てきそうだ。やがて中国は塩ビの“輸出国”になるという見方だって十分できる」と観測している。 なお中国の1−10月の塩ビ樹脂輸出累計は5万2,636トンで、前年同期の1万4,387トンに対して3.66倍となっている。 【中国10月の塩ビ樹脂輸出・上位10カ国地域】単位:トン(未満は切捨て) (輸出量合計=17,152) (1)インド :8,169 (2)トルコ :1,518 (3)ドミニカ連邦 :1,365 (4)韓国 :1,075 (5)香港 :980 (6)UAE :816 (7)ドミニカ共和国 :610 (8)エジプト :513 (9)米国 :507 (10)カザフスタン :412 |