2005年12月14日 |
日本ポリプロ、30万トン設備の建設を決定 |
自動車分野における基盤を一段と強化へ |
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:日本ポリプロ |
日本ポリプロ(JPP)は14日、07年末に年産30万トン能力の新鋭プラントを鹿島工場内に建設することを決定したと発表した。 採用プロセスは、自社の「チッソ気相法」。生産品目は、PPのインパクトコポリマー、ランダムコポリマー、ホモポリマーの3種。着工は06年6月。完工は07年12月。試運転開始は08年1月。営業運転開始は08年4月の予定。建設所要資金は約150億円となる見込み。 これによって同社のPPの年産設備能力は、鹿島、千葉、川崎、四日市、水島の計5工場合計・13系列トータルで138万トンとなる。ただし同社では、新プラントの稼動が軌道に乗った時点で既存設備のうちの同15万トン相当分を廃棄する考え。したがって、純増は同15万トンということになる。 これに必要な原料プロピレンは、原則として自給していく方針。今年末に鹿島でナフサ分解炉を1炉増炉するのに伴って年7万トンのプロピレンを増産するのに加え、PPの新プラントの稼動に合わせてFCC装置を新設することで全量をカバーしていくことになる。 今回の増産計画は、PP全体の需要が今後も自動車部品向けを中心にアジア地域全体で大きく伸びていくとの判断に沿ってかねてから検討されてきたもの。建設コストの急騰にようやく歯止めがかかってきたことと、原料の安定確保の見通しがついてきたことから実現に踏み切ることにした。 この日会見した同社の村上永一社長は、「最大の狙いは当社の強みのひとつである自動車分野における基盤のもう一段の強化にある」と前置きして同計画の狙いと今後の事業展開の概要について以下のようにコメントした。 <村上社長の談話> PPの需要はアジア全域で着実な伸びており、今後も自動車部品関連を中心に安定した成長を続ける見通しにある。このためアジア地域では08年にはPP全体の供給能力が不足する公算が濃厚となっている。こうした中で当社では、かねてから品質・技術面の強みを生かして自動車分野に強力な基盤を構築してきた。 現在は総出荷量の30%強が自動車部品向けで占められており、PP業界全体における自動車向けのシエアは44%を超えている。今回の増産計画は、こうした基盤をさらに強化することを主眼に実現することにしたもの。 これによって高機能品種であるインパクトコポリマーの構成比率を現在の50%強から60%に引き上げ、複合品種の多様化を図ることで需要家のニーズにより的確に対応していくようにしたい。また、住設ならびに高機能食品容器包装分野でも独自の新市場を開拓して総合体質の強化を目指していきたいと考えている。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1134540403.pdf |