2005年12月15日
三井化学のPTAの輸出価格、11月は890ドルに
10月比30ドル安で中国の需要家各社と合意
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は15日、中国のPTA(高純度テレフタル酸)の需要家各社との間でPTAの11月の輸出価格をCFRトン当たり890ドルとすることで合意したことを明らかにした。10月の価格に対しては同30ドル安ということになる。

 当初同社は11月分については10月比10ドル高の同930ドルとすることを目標としていたが、中国の重合メーカー各社がポリエステル繊維市況の軟化を理由に大幅値下げを迫ってきたため改めて妥協点を探りあって890ドルとすることで決着したもの。

 この結果、7月の同830ドルをボトムに上昇を続けていたPTAの対中輸出価格は4ヵ月ぶりに前月を下回ることになった。

 現在同社では、続く12月分について需要家各社と価格交渉に乗り出しているところ。同社の提示価格は、11月比30ドル安の同860ドルとなっている。11月に続いて値下げを実施することにしたのは、原料PXの12月の価格が11月よりトン160ドル安の900ドルに決定されたため。

 同社によると、中国の在庫はかなり低水準まで縮小してきており、またポリエステル繊維の市況も回復傾向をたどり始めているという。このため同社では、同社の提示価格がユーザー各社から受け入れられる可能性は高いと判断している。12月分については、三菱化学も同じく同860ドルを提示して現地の需要家各社と交渉中。

 なお三井化学では、中国によるPTAの今年の総輸入数量は前年を14%上回って640万トン程度になると予想している。