2005年12月16日
BZのスポット相場が各地で反騰
直近の韓国のFOB価格は710ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 わが国の大手商社や石油企業筋によると、低迷していたBZ(ベンゼン)のスポット価格が各地で反騰してきた。
 
 最大の供給国である韓国の直近のFOB価格は最安値でもトン当たり710ドル、また米国のCFR価格は同730〜740ドルとなっている。うちFOB/Kプライスは、13日に同700ドルをつけて約2ヶ月振りに700ドルの大台を回復したあと連日上昇しているもの。FOB/Kの最近のボトムは10月中旬の同600〜610ドルであったので、この2ヶ月における上昇幅は合計でおよそ同100ドルということになる。
 
 FOB/Kのスポット相場が上昇してきた要因としては、原油の国際スポット相場が世界的な寒波の襲来で反騰してきたこと、韓国の石油企業の中で12月早々にBZを米国に大量に船積みしたところがあってアジア市場に先行きタイト感が広がってきたこと、米国のリファイナリーの多くが1〜3月に定修を実施する予定にあって年明けの国際需給バランスが窮屈になると見る需要家が世界各地で増えてきたこと--などが挙げられる。
 
 1月のFOB/Kについては、わが国のリファイナリーの多くが同750ドルになるとの見方を取っている。にわかに暖冬に変わらない場合は、1月のUSCPも反騰が必至と見られている。
 このため、SMメーカーやPHメーカーはエチレン価格の高騰もあって採算面では一段と厳しい局面に立たされそう。