2005年12月19日 |
広東・恵州市にシェルの大型石化センターが完成 |
エチレン年80万トン 国家級の大亜湾経済技術開発区 |
【カテゴリー】:海外(経営) 【関連企業・団体】:シェルケミカルズ、トヨタ自動車、日産自動車、三菱レイヨン |
石油メジャーの英蘭シェル社は中国広東省の恵州市が進める大亜湾経済技術開発区・石油化学区にエチレン年産80万トンの大型設備の建設を完了、試験運転を開始した。新年早々にも操業に入る。 同設備は中海シェル南海石油化学のプロジェクトで43億5,000万ドルを投入した。ほかに香港企業のポリエチレン16万4,000トン、三菱レイヨンのMMA(メチルメタアクリル)9万トンやスチレンモノマーなど7設備が完成した。今後はブリヂストンがSBR年産8万トンを予定するなど誘導製品の企業化が行われることになっている。 同開発区ではさる12月15日に着工した中海石油の石油精製設備、重質油を分解する流動接触分解装置などが2007年末にも完成するので、原油からの一貫生産体制が出来上がる。この石油精製計画には中国石油化工(シノペック)、英BP、英蘭シェル、クウェート国営石油が合弁で参加している。 中国では現在、石油化学製品の供給が不足しており、大型設備の建設が相次いでいる。新増設は国家改革発展委員会で審議が行われるが、2006年から10年までの計画として、このほど鎮海(浙江省、80万トン)、独山子(新疆、100万トン)を認めた。 目下、天津、上海、泉州、武漢、重慶、蘭州、盤錦(遼寧省)などが認可の対象になっているといわれる。大型化は今年9月に完成した上海(奉賢区)が100万トンの第1号で、恵州はこれに次ぐ。 大亜湾経済技術開発区には住友金属、住友電装、三洋電機や広州市に進出したホンダ、日産、トヨタ系の自動車部品メーカーが参加する動きがある。恵州市の積極的な工業用地開発、交通網の整備などとあいまって、同市の経済活動が深セン並みに高まる可能性もでてきたとする見方もある。 同市の人口は320万人、面積1.13万平方キロ。これまで電子産業1,000社以上が集まり04年の生産額は841元(市の工業生産額の54%)に達した。恵州空港まで36キロ、広州まで130キロ。 |