2005年12月20日
三井化学、PHの輸出価格を1月も底上げへ
中国向けトン880ドル目指す,ACも値上げ
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、フェノール(PH)の輸出価格を来年1月分も12月分に続いて底上げすることにして中国をはじめとするアジア各国の需要家各社と交渉を開始した。
 最大の消費国である中国向けについては、CFRトン当たり30ドル引き上げて同880ドルとする方針。実現すると3ヶ月振りの値上げとなり、10月と同じレベルに戻る。
 
 PHのアジア地域の相場は、今年4月に同1,400ドルをつけたのをピークに下降線をたどり、11月には同850ドルまで下がった。中国の需要が伸び悩んだ中で、台湾や韓国でPH設備の新増設が続いたことによるものであった。
 しかし大手商社筋によると、秋口以降に三井化学など既存のPHメーカーとニューカマーの双方が相次いで生産調整に踏み切ったことが作用して最近はアジア地域全体の需給バランスが大きく改善されてきており、中国等の市中在庫も明らかに縮小しつつあるという。
 
 三井化学では、こうした環境の変化を睨んで採算是正のため価格修正に踏み切ることにしたもので、早急に各国のユーザー各社から同意を取り付けたいとしている。
 
 また同社では、関連製品のアセトンについても1月の輸出価格を底上げすべく同地域の需要家各社と交渉に入っている。11月と12月の輸出価格はともに同630ドルであったが、1月分は少なくとも640〜650ドルまで引き上げたい考え。