2005年12月20日
大橋・日化協会長「来年の経済見通し 難しい問題も」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学工業協会

 日化協の大橋光夫会長(昭和電工会長)は20日の理事会後の記者会見で、政府が18年度の税制改正で導入を見送った環境税について「省エネなどへの理解はすでに国民の間に広がっているし、産業界の対策も進んでいる。環境問題は税ではなく実効ある対策だと、私たちが経団連を中心に主張してきたことが理解された形だ」とコメントした。
 
 ただ、将来的に消えたわけではないとし、「日化協としては、引き続きCO2削減などの自主行動計画推進に力を入れていくことが重要だ」と強調した。
 
 同会長は、この1年の活動を振り返り(1)レスポンシブル・ケア活動が10周年を迎えて環境安全基本方針を改定し、川下産業とも連携しながら化学物質管理の充実を図る体制を構築した(2)欧州で検討中の環境規制REACHについては、われわれが行なってきた修正提案にも理解が得られ、既存化学物質をめぐる定義などに反映されつつある、などと説明した。
 
 また、来年の経済見通しについての質問には「原油・ナフサ価格や為替レートがどう動くかだ。原料の高騰がこのまま続けばお客へのつけ替えは難しくなり、日本経済の圧迫要因となる。その意味でも先は読みにくく、今年以上に難しい問題が出てくる。企業としては一層のコスト削減努力が必要だ。技術開発のスピードをあげ、お客が期待している製品をマーケットに出していくことも重要になる」と答えた。