2005年12月21日
中国向け石油化学品価格に底離れ現象
SM、EG、L-LDPE等が相次いで小反発
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社によると、低迷を続けていた中国向けの石油化学製品の価格に底離れ現象が現われはじめた。SM、EG、L-LDPE等のエチレン系誘導品を中心に1月渡し価格が相次いで反騰しはじめている。
 これに誘発されるようにアジア地域のエチレン価格も急反発している。ただし各商社とも、SHELL/CNOOCの大型石化設備の操業開始が間近に迫っているので現在の上昇傾向がいつまで続くかの明確な判断はできないとしている。
 
 主要誘導品の中国向け価格の1月渡し分の平均は、SMがトン当たりCFR980ドル、EGが同800ドル、L-LDPEが同1,050ドルなどとなっている。12月の引渡し価格に比べると、SMは50ドル、EGは30ドル、L-LDPEは40ドル前後上がっている。
 大手商社や関連企業では、こうした最近の変化は(1)中国の需要家の間に資金面で余裕を持てるところが出てきたこと(2)多くの需要家の在庫がこれまでの買い控えによって適正規模を割り込むようになってきたこと(3)ナフサとオレフィンやジオレフィンの国際価格がさらに上昇する公算が濃厚との見方が中国市場全体に広がってきたこと--等の要因によるものと見ている。
 これに伴うエチレンの直近の相場は極東で同900ドル、東南アジアで同950ドルとなっている。