2005年12月22日
環境省による建築物の省エネ推進予算が大幅増額
学校と一般住宅の樹脂サッシの普及に大きな弾み
【カテゴリー】:行政/団体(原料/樹脂/化成品、環境/安全)
【関連企業・団体】:環境省、経済産業省、塩ビ工業・環境協会

 環境省が建築物の省エネを推進していくことを目的に財務省に要求していた平成18年度の特別会計予算が要求通り認められた。この中では、学校と一般住宅の高断熱化・省エネを促していくための予算の大幅増額要求が同省の希望通りのかたちで受け入れられた点が特に注目される。これによって、樹脂サッシ(塩ビ窓枠)の普及にも大きな弾みがつくことになると見られる。
 
 今回認められた建築物の省エネ推進予算のうち樹脂サッシに係わりのある政策案件は、一つが総合環境政策局が推進する「学校エコ改修事業」であり、そしてもうひとつが地球環境局が実現に取り組んでいる「地域協議会代エネ・省エネ対策推進事業」。
 
 前者は、窓の断熱化や周辺の緑化等によって学校校舎の省エネ化を実現、冷暖房による後者からの二酸化炭素の排出量の削減を図るというもの。17年度が実施初年度で、同局では10億円の予算を確保、合計10校を対象に所要資金の2分の1を補助してエコ改修を推進しようとしているところ。18年度は補助金交付対象校を15校に増やす計画で、このため15億円の予算を要求していたが満額回答を得た。
 一方の後者の計画は、地球温暖化対策地域協議会(地域協議会)が進める一般家庭等による樹脂サッシや複層ガラス窓等の断熱材料や省エネ設備の採用を補助金交付によって後押ししていくというもの。17年の予算は1億5,000万円であったが、18年度分については2億8,000万円を要求して財務省の承認を得た。これによって18年度は補助対象件数を大幅に増やしていくことになる。
  
 建築物の省エネ化については、経済産業省もNEDOの補助金制度を活用して一般家庭のリフォームの際の断熱化を積極的に支援していくことにしている。18年度は「住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業」として21億3,000万円の予算を確保、その枠内でリフォームに際しての樹脂サッシの採用についても費用の3分の1を補助して後押ししていく計画である。
 
 こうした両省の積極拡大策の展開は、樹脂サッシや樹脂サイディングの普及を重要課題の一つに掲げてプロジェクトチームを立ち上げている塩ビ工業・環境協会に取っても強力なフォローウンドウとなりそう。