2001年09月10日
リサイクルの“拡大生産者責任”を巡って論議が活発に
産構審のリサイクル小委員会の企画WGが第2回会合
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省産業技術環境局は10日、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会の下部そしきである企画ワーキンググループの第2回会合を開いた。

 この日の会合では、「リサイクルに関する拡大生産者責任(EPR)と役割分担の考え方」を議題にフリーディスカッションが行なわれた。冒頭、事務局のリサイクル推進課から(1)EPRの考え方(2)各主体の役割分担の考え方(3)個別分野毎の回収・リサイクルシステムの分析(4)その他検討すべき事項--の4点それぞれについて、事務局でまとめた『論点』が紹介され、次いで、その内容を巡って各委員による活発に討議が展開された。
 
 しかし、4項目のいずれについても全体の意見をまとめるところまでいかず、次回以降も引き続き論議を重ねていくことになった。次回の会合は9月28日午後2時から開催の予定。
 
 この日、事務局から示された4項目それぞれの『論点』は以下の通り。
 (1)EPRの考え方=「EPRは、排出者責任との組み合わせの中で、様々な費用分担、責任分担を包含する概念であり、すべての製品について一律に生産者に回収・リサイクルの責任を課すのではなく、社会的に効率的・実効的な役割分担を行なっていくことが必要ではないか。その場合、どのような製品についてどのような役割を求められることになるか」。
 (2)各主体の役割分担の考え方=「事業者自らが回収・リサイクルを実施するか否かに関わらず、事業者は物理的・経済的責任の役割分担を踏まえた上で、回収・リサイクルシステム全体の運営に統括的な役割を担うべきではないか」「EPRに基づき事業者の責任で3Rの取り組みを求める際、その責任遂行の促進のため、国は技術開発や施設整備等の適切な支援を行なうべきではないか」。
 (3)個別分野毎の回収・リサイクルシステムの分析=「物理的責任・経済的責任を誰に求めるかによって回収・リサイクルシステムの実効性や効率性が異なってくるため、回収・リサイクルシステムについては、製品の特性等を踏まえつつ製品ごとに個別に関係者間の役割分担を設計・構築していくべきではないか」「リサイクル等の取り組みに要するコストが社会全体として最小化する観点から、EPRの導入の際にはそれに伴って発生する費用・便益の分析が必要ではないか」。
 (4)その他検討すべき事項=「事業者が回収・リサイクルを実施する際に他の制度(廃棄物処理法等)が障害となる場合、その制度の改善を図るべきではないか」「回収・リサイクルの責任が地方公共団体から事業者へと移転する場合、それに伴い減少する支出について可能な限り情報開示を行なうとともに、地方公共団体の廃棄物行政を自己処理から事業者による処理に対する支援へ変えていくなどトータルな社会システムの効率化を実現すべきではないか」。