2005年12月28日
産構審と中環審、容リ法見直しの事務局案を取り敢えず承認
ポイントの事業者負担の具体策は1月に再審議
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体)
【関連企業・団体】:環境省、経済産業省

 経済産業省と環境省はそれぞれ28日に産業構造審議会と中央環境審議会の廃棄物・リサイクル専門委員会を開き、容器包装リサイクル法の見直しに関するそれぞれの事務局案を示して審議を求めた結果、基本的な考え方について同意を得た。

 最大のポイントである分別収集・選別管理費用の事業者負担の問題については、両省が提示した案の内容に大きな違いがあり、しかもどちらも具体的な手法の明示がなかったため特に事業者団体を代表する委員の間から疑問と異論が相次ぎ、その結果、来年1月中旬に改めて具体的なスキームを両事務局が別個に取りまとめて両委員会に諮る旨を表明して了承、散会となった。

 容器包装の分別収集と選別・保管は本来は地方自治体の役割となっている。しかし多くの自治体が、当初予想していた以上にコストがかかりその負担に耐えられなくなったとして事業者に費用の一部を負担するよう求めてきたためそれに強く反発する事業者との間で意見が衝突、今回の容リ法の見直しの中でも最大の論争点となっている。

 こうした中で28日に示された事務局案のうちの経産省案は「分別排出する消費者、分別収集する市町村、再商品化義務を負う事業者が連携してそれぞれの役割を果たすとともに、制度全体の効率化が図れるようにするため各主体が解決すべき課題について建設的な協議を行う場を全国レベルや地方レベルで設けることを検討する」というものであった。

 環境省案は「市町村が消費者の協力を得て異物(汚れたものを含む)の除去を徹底し分別基準適合物の質を高めれば再商品化の質の向上とコストの削減につながるので、再商品化の合理化の程度等を勘案して事業者が市町村に資金を拠出する仕組みを創設することを検討すべき」という内容のものであった。

 この環境省案は、事業者負担の必要性をはっきりうたっている点が経産省案と決定的に異なるところで、このため同案に対しては事業者側の委員の多くが、「費用の付け替えがどうして廃棄物の排出抑制に結びつくかが理解できず、また費用の額もはっきりしないこともあるので到底賛成できない」とこれまでの会合における反論をこの日も繰り返して事務局に再考を求めた。しかし、事務局が具体的な方法論は年明けに示すので改めて審議してほしいと提案したため、基本的な考え方について同意することで事実上の結論を次回に持ち越すかたちとなった。