2006年01月06日
新日石化学のメタセシス設備が完成
順調に試運転、1月末にも本格操業入り
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:新日本石油、新日本石油化学

 新日本石油化学はこのほど、同社川崎工場内にメタセシス・プロピレン装置を完成し試運転に入った。C2とC4からプロピレンを量産するための設備で、プロピレンの年間生産能力は14万5,000トン。試運転状況は良好で、このため早ければ1月末から本格操業となる見込み。
 
 この結果、新日石グループのプロピレンの年間生産能力は、同社・川崎のナフサ分解炉の28万トン、新日石・大阪と川崎のFCC装置による合計32万トン、昨年秋に稼動を開始した新日石・水島の新蒸留装置の8万トン--の総合計82万5,000トンとなる。加えて07年中には新日石が仙台に10万トン能力のプロピレンスプリッターを完成する計画なので、その時点では92万5,000トン能力に達する。
 同社グループでは、こうした一連の設備対応に伴う増産分は全てアジア市場で消化していく考え。アジア地域では当分の間プロピレン不足が続く見通しにあり、このため同社グループでは、アジア全域におけるプロピレンの最有力サプライヤーの地位を確保していけると判断している。
 
 なお、わが国におけるメタセシス・プロピレン装置は、04年秋に稼動を開始した三井化学の14万5,000トンプラントに続いてこれが2期目となる。