2006年01月11日
SMのアジア市況が回復
中国向けはトン1,050ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 SM(スチレンモノマー)メーカーならびに大手商社筋によると、SMのアジア地域における市況が年明けともに急回復してきた。

 最大消費国の中国のCFR価格を例にとると、1月渡しの平均価格はトン当たり1,050ドルで、昨年12月渡しの価格を100〜120ドル上回るレベルとなっている。SMの中国のCFR価格は、昨年9月の1,120ドルをピークに下降の一途をたどってきていた。しかし、昨年末以降に旭化成ケミカルズなど大手サプライヤーの多くが相次いで打ち出した値上げ表明が市場に受け入れられて4ヵ月ぶりの底上げが実現しはじめたもの。

 これには、中国市場の在庫が需要家各社の買い控えの継続によって縮小してきたこと、原料BZの国際相場の反騰によって中国市場全体にSMの先行観が広がってきたこと等が大きく作用しえいると見られる。

 SMメーカーの中には、BZの最近の価格動向から判断して2月積みはさらに同50ドル前後引き上げる必要があると主張する向きが少なくない。

 一部には、2月に入るとシェルの大型SMプレントが中国で稼動を開始するので、アジア地域の需給が再び緩むとの見方もある。しかし多くの関係者は、アジア地域で2月から6月にかけてSMメーカーの定修が集中的に実施される見通しなのでタイトバランスが続くと予想している。