2001年09月07日
三井化学、タイに技術輸出するHDPE設備の基本設計を開始
完成後は当面の2年間に15万トンを引き取る考え
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、タイの石油化学企業「NPC(ナショナル・ペトリケミカル)」にHDPEの製造技術を供与することにしてこのほど同設備の基本設計作業を開始した。年内にも同作業を完了したい意向。

 これを受けてNPCは、2003年後半にラヨン県マプタプート地区に年産25万トン能力の大型HDPEプラントを建設する計画。着工は来年春もしくは年半ばになりそう。
NPCは、タイで唯一のエタン分解法を採用しているエチレンセンターで、現在のエチレン設備能力は年産40万トン。今回の計画が実現すると、同社自身による初の誘導品分野への進出となる。

 この結果、タイのHDPEの設備規模はL-LDPEとの並産プラントを含めて年産130万トンとなる。このうちの同96万トン設備は三井化学の技術を採用してのものとなる見込み。

 今回のNPCの計画で注目されるのは、技術供与契約の中に三井化学による製品引取りのオプションが含まれている点だ。三井化学では、これに基づき、子会社の三井ハイポリマーを起用して2004年から2005年にかけての2年間に合計15万トンを引き取って中国や東南アジア市場で消化していく考え。現在も、同じタイの技術供与先のBPEから年間6万トンを引き取って中国などに販売している。また、同社千葉工場から年4万トン前後をアジア地域に輸出している。これにNPCからの引き取り分が加わるとアジア市場における同社の基盤は一段と強固なものとなる。