2006年01月17日
日立化成、自己活性型酸化セリウム粒子系CMPスラリーの基本特許取得
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成工業

 日立化成工業は17日、半導体デバイス製造中のCMP(化学的機械研磨)工程で使用される研磨液で、不用なシリコン酸化物被膜を傷を抑えながら高速で除去し、平坦化することを特長とする自己活性型酸化セリウム粒子系CMPスラリーの基本特許を取得したと発表した。

 CMP(Chemical Mechanical Planarization)とは、半導体の素子分離工程や回路形成工程で発生するウエハー上の材料(シリコン酸化物被膜、層間絶縁材被膜、配線用金属被膜等)の不用な凹凸を除去し平坦化する技術のことで、CMPスラリーはこの研磨工程に使用される研磨液。シリコン酸化物被膜用途のCMPスラリーには、従来シリカ粒子系CMPスラリーや酸化セリウム粒子系CMPスラリーが用いられていたが、いずれも研磨傷の抑制と高速研磨を両立させることが難しいとされていた。
 
 CMPスラリーによって発生する研磨傷は製品の不良率を増加させるため、高速動作・高集積化された半導体デバイスの製造には、生産性と信頼性を同時に向上させるため、高い研磨速度と少ない研磨傷という両立の難しい特性を併せ持つCMPスラリーが求められていた。

 同社は、長年のセラミック製造技術をCMPスラリーの研磨粒子に応用することにより、研磨傷を大幅に低減し、かつ、高速で研磨できる自己活性型酸化セリウム粒子系CMPスラリーの開発に成功した。
 
 これは、CMPスラリーに使用する酸化セリウム粒子自体に結晶粒界を持たせることで、酸化セリウム粒子を研磨時の押し付け圧力で崩壊させ、新たにシリコン酸化物被膜と化学反応させやすい活性化面を発現させる。これにより、従来の酸化セリウム粒子系CMPスラリーの研磨速度を向上させながら研磨傷を抑制することが可能となった。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1137472692.pdf