2006年01月17日
PS,昨年の総出荷量 前年比7%減の89万トンに
近藤・スチレン工業会会長は構造改善の必要性を強調
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は17日、PS(ポリスチレン)の生産・出荷の05年12月の実績と年計の結果を発表した。
 
 年間の総生産量は90万4,951トンで前年比5%減、総出荷量は89万4,392トンで同7%減となっている。
 年間総生産量が前年以上に不振であった背景について、同日、定例記者会見に臨んだ近藤健・同工業会会長(PSジャパン社長)は、「国内需要が、04年に発生した先行需要の反動や包装材料全体の薄肉化の進展、雑貨・産業用の実需の縮小、さらには輸入レジンの増加--等によってほぼ年を通して低調であったため」と説明、そして「この結果PS業界は、4社平均の05年の年間平均稼働率が約80%に低下するという極めて厳しい事態に陥っている」と述べ、さらに言葉を継いで、「06年も内需は85万トンていどにとどまる可能性があり、またレジンの輸入が一層増える心配もあるだけにPS業界には構造改革が再度必要になってきていると言わざるを得ない」と発言し、同樹脂業界が再度大きな転換期を迎えている点を強調した。
 
 一方の出荷は3年連続の前年割れとなった。国内向けが前年比6%減の86万4,745トンと前年割れに転じたことによるもの。電機工業用、包装用、雑貨産業用、FS用--の全分野がマイナス成長となっている。これには、レジンの輸入が04年の約1万6,000トンから05年はおよそ2万5,000トンに増えたと見られることも少なからず影響している模様。
 輸出は、各社が採算重視の特定分野向けに契約を引き続き絞っているため28%減の2万9,647トンとなっている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1137477567.tif