2006年01月20日
三菱化学・鹿島の増設炉、23日にオイルイン
重質原料を活用へ、C3とBZの精製能力の拡大も
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は石油化学原料の多様化対策の一つとして昨年末に鹿島事業所内の第2エチレンプラントに重質原料用分解炉を設置して水運転してきたが、23日にはオイルインして試運転に入ることになった。本格操業入りは2月中旬となる見通し。
 
 今回完成した分解炉は、コンデンセートや灯・軽油などの重質原料を効率的に活用していくためのもの。これによって、各種の原料や石油化学誘導品の需給バランスと国際相場によりフレキシブルに対応していくことが可能となる。

 同社ではこれに合わせてプロピレンとベンゼンの精製能力を拡大、プロピレンは年5万トン、ベンゼンは同7万トンそれぞれ増産していく。投資額は全体で約40億円となった模様。
 今回の分解炉の増設に伴いエチレンの増産も可能となるが、投資効率上プロピレンとベンゼンの増産を優先していくのが得策というのが同社の現在の考えであり、当面はこれまでの年産49万1,000トン(定修実施年は45万3,000トン)体制を維持していくことになりそう。
 
 同社は、今回の措置に続いてはジャパンエナジーとの共同投資によって同じく鹿島に08年早々にコンデンセートを原料とする芳香族製品と軽質ナフサの量産設備を新設して国際競争力のもう一段の強化を図っていくことにしている。具体的には、年産41万トン能力のPX製造装置、日量2万バレル能力の接触改質装置、同6万バレル能力のコンデンセートスプリッターを建設する計画。BZと軽質ナフサの年間生産量はBZが17万トン、軽質ナフサが約85万キロリットルとなる見通し。