2006年01月24日
原油価格上昇の影響調査「小売価格への転嫁進まず」経産省
【カテゴリー】:行政/団体(実績/統計)
【関連企業・団体】:経済産業省、資源エネルギー庁

 資源エネルギー庁は、原油価格高騰の実態をより細かく把握しようと、05年3月から定期的に石油大手元売6グループおよび約480の石油販売業者を対象に、コスト変動分の販売価格への転嫁状況についてアンケート調査してきたが、このほど05年10月時点の状況について11月に行なった調査結果をまとめた。

 それによると、石油精製・販売業とも、調査を開始した05年3月以降10月までの8カ月間でみると、上昇しているコストの転嫁は進んでおらず、原油価格の上昇分は、石油精製業、石油販売業、最終需要家がそれぞれ負担していることがわかった。調査概要は以下の通り。
 
(1)10月の輸入原油価格や石油販売業における石油製品の仕入価格は、9月に続き上昇した。

(2)石油精製業においては、原油価格の石油製品への転嫁割合は、ほとんどの油種について、おおむね60〜100%の範囲であった。

 3月以降の8カ月間でみても、ほとんどの油種について、おおむね60〜100%の転嫁率に止まっている。

 原油価格・石油製品価格の調達については、ほとんどの社が現時点で、大きな悪影響はないと回答しているものの、収益をやや圧迫していると回答している。
 
(3)石油販売業(ガソリンスタンド業)においては、10月にはすべての油種でコスト(仕入価格)が上昇したが、小売価格への転嫁は全油種平均で約55%だった。3月〜10月の8カ月累計でみても、コストアップ分の小売価格への転嫁は78%に止まっている。