2001年09月05日
日化協、13年度のLRI採択研究テーマを決定
応募総数72件のうち3分野合計24件を採択
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学工業協会

 日本化学工業協会は5日、同協会がかねて推進している「LRI=ロングレンジ・リサーチ・イニシアティブ(ヒトの健康や環境に及ぼす化学物質の影響に関する長期的自主研究)」の13年度の公募と応募状況、ならびに応募内容を審査した結果の採択研究テーマの概要を発表した。
 
 それによると、今年度の応募件数は12年度の2.2倍の72件。一方、専門家グループによる1次~2次審査を経て最終的に採択されることになった研究課題は、前年度のちょうど2倍の24件となった。うち10件は前年度からの継続テーマである。24件の研究領域別内訳は、「内分泌かく乱物質」に係わる研究が9件、「化学発がん」に関する研究が8件、そして「過敏症」を対象とするものが7件--となっている。
 
 24件のうちの18件は大学の研究室に所属している研究者によって、また、残り6件は国公立研究機関の専門家の手で研究が進められていく見通し。このほか、「内分泌かく乱物質」に関する直接委託研究も1件(マラヤ大の研究者)あり、したがって、今年度の総採択件数は25件ということになる。
 
 研究費総額は1億2,937万円。前年度は6,000万円であったので、今年度はその2.16倍となる。研究開発期間は13年9月1日から14年8月31日まで。

 LRIは、日化協も加盟しているICCA(国際化学工業協会協議会)がかねてから取り組んでいるレスポンシブル・ケア活動のひとつ。実施の目的は(1)化学物質が健康や環境に与える影響に関する科学的な知見をより豊かに蓄積して試験法やスクリーニング手段の開発を促し、化学物質の安全な使用の推進に役立てること(2)得られた研究成果に基づいて、公共政策の決定を支援できる情報を提供することでレスポンシブル・ケアを一層充実したものにしていく--の2点に集約できる。