2006年02月07日
アジア各国、ポリオレフィンの中国向け価格の底上げへ
相次ぎ値上げを表明して懸命に説得を開始
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 中国の旧正月休暇明けとともにアジア各国のポリオレフィンメーカーの多くが中国向け輸出価格の底上げに乗り出した。大手のトレーダーを仲介約に中国の大手需要家やディストリビューターを相手に2月渡し分の価格の引き上げを目指して各地で説得を開始している。ただし、いまのところ中国側の反応は鈍く、交渉が本格化するまでにはもう少し時間がかかりそうだ。

 旧正月休暇前の納入価格は、LDPE、L-LDPE、HDPEの3樹脂のフィルム用がいずれもCFRトン当たり1,130〜1,150ドル、PPホモポリマーのフィルム用が同1,100〜1,140ドルとなっていた。ともに昨年12月下旬の時点で契約した価格である。もっとも、L-LDPEの場合は、年明けにアジア地域全体の需給が引き締まってきたため旧正月休暇直前の段階で1,160〜1,170ドルの高値の取り引きも散見されている。

 しかし、その後にナフサの高騰もあってオレフィンの相場が再騰してきたためポリオレフィン各社とも2月の引渡し分をいずれの底上げすべく折衝に乗り出しているもの。多くの企業が同30〜50ドルの引き上げを狙っている。

 これに対してはまだ中国側は目立った反応を示していない。この背景は、国産樹脂の相場が依然として輸入品の価格を30ドル前後下回るレベルにあることと、加工企業各社が昨年末に積み上げたレジン在庫がまだほとんど消化されないできていることにあると見られている。このため今回の交渉はあるていど長期戦になる公算が強い。