2006年02月09日
極東のエチレン相場、1,100ドル台が続く
定修の集中を控えて市場に不安感広がる
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社の情報によると、極東地域におけるエチレンのスポット相場は今週明けも引き続きCFRトン当たり1,100ドル台に張り付いたままで、高止まりが長期化の様相を呈してきた。

 極東地域のスポット相場が同1,000ドルの大台を超えたのは1月第2週で、翌週には1,100ドル台に乗り、それ以降3週間にわたって1,100ドル超えが続いている。昨年3月上旬いらいの高値となっている。

 これに誘発されるように東南アジア地域でもスポット相場が上昇、1月第3週以降は1,000ドル強のレベルで推移している。

 これには、中国のSHELL/CNOOCが年産80万トン能力の大型エチレンプラントを広州でまもなく立ち上げる予定にあるにもかかわらず市場に先行きタイト観が急速に広がってきていることが大きく作用している。3月から6月にかけて日本や韓国でエチレンプラントの多くが定修を実施することが確定していることによる。

 最近は、韓国や東南アジアの石油化学企業の中でわが国の大手商社に対してスポット玉を緊急に振り向けるよう要請する向きが増えており、また日本国内でも緊急融通を打診してくる誘導品メーカーが出始めている。SHELL/CNOOCの立ち上がりのタイミングがずれるようなことがあれば、さらなる相場の上昇が必至となる。