2001年09月04日
宇部興産、ポリイミド増産へ、BPDA倍増着工
新商品、薄膜「二層CCL」にも対応
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産は半導体の実装材料となるポリイミドフィルムの需要が堅調なため、このほど原料となるBPDA(ビフェニールテトラカルボン酸ニ無水物)設備を倍増することに決め、宇部市の宇部ケミカル工場で着工した。完成は2003年春、所要資金30億~40億円をかけ年産600トンから1,200トンに増やす。

 同社のポリイミドフィルムは耐熱性、対薬品性に優れているほか、とくに寸法安定性が高いため、液晶画面のICを実装するTAB(テープ自動ポンティング)用として広く使用され、同分野では世界の9割のシェアをもっている。IT不況の中でも需要は堅調で年間約2割ずつ伸びているという。ポリイミドフィルム設備も同時に約3割増強する。

 同社はポリイミドフィルムでは先に三菱伸銅と共同で超微細回路の形成が可能な薄膜タイプの二層CCL(銅張積層板)『ユピセルD』を開発した。2002年4月から商品化し、年産10万_規模での生産することになっている。

 BPDA倍増工事はこうした新規製品の事業化計画に対応したものだが、ほかにもワニス、パウダーなど成形体材料としての用途をもっているため、モノマーの一部は外販も予定している。