2006年02月13日
三井と出光、有機EL材料ビジネスで協業体制構築
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:出光興産、三井化学

 三井化学、出光興産の両社は13日、今後市場の拡大が見込まれる「有機EL材料」の研究開発・製造に、協業体制を構築すると発表した。2004年2月に合意した「千葉地区における包括的提携の検討」に基づく事業強化策の一環となる。

 FPD市場の拡大に伴い、有機ELディスプレイ市場は、今後大幅な拡大が見込まれている。また一方では、性能向上のための高性能有機EL材料の開発が市場から求められている。

 しかし、これまで有機EL材料の開発は、各メーカーが独自に行い、共同開発といった取組はほとんどみられなかった。今回、この分野で多くの関連特許を所有する三井と、世界トップクラスの技術力・特許を有する出光の両社が、初めて共同取組みに合意したことになる。

 出光は7日付で世界最大規模となる、年産3トンの有機EL材料工場を静岡県御前崎に建設すると発表したばかりだが、現時点では出光100%の工場として運営していく方針に変更はないとしている。

 今回合意した協業の概要は次の通り。
(1)新規有機EL材料の開発は、両社がそれぞれ独立して行うが、三井・出光の「高度な分子設計・合成技術」と、出光が得意とする「材料の組合せ技術・実用評価技術」を融合させ、材料開発の大幅な促進と効率化をはかる。

(2)有機EL材料の製造体制については、三井・出光両社が保有・整備する製造設備の相互利用により、供給の安定化と競争力強化をはかる。製造体制の整備に関する具体的な内容は、今後、両社間で協議し決定する。

(3)協業により得られた新規高性能有機EL材料は、出光が販売する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1139811813.pdf