2006年02月17日 |
来年は「プラスチック誕生100周年」 |
プラ工連、特集記事やキャンペーン企画 |
【カテゴリー】:行政/団体(経営) 【関連企業・団体】:日本プラスチック工業連盟 |
2007年は初めてプラスチックが米国で生産されて100周年に当たる。世界第2位のプラスチック生産量を誇るわが国にとってもその歴史的意義は大きいと、日本プラスチック工業連盟を中心に、専門雑誌への特集ページ連載をはじめ多くのキャンペーン企画が検討されている。 米国・ベークランド博士がフェノール樹脂「ベークライト」の生産を始めたのが1907年だった。日本では三共商店(現在の三共、高峰譲吉博士が発明した消化酵素「タカヂアスターぜ」を生産するために設立された)が、いち早くこの技術を高峰博士を通じて導入し、1911年には品川に工場を完成して「ベークライト」の国産化を開始した。 Dr. Leo Hendrik Baekeland (1863ー1944) はベルギーのGhentで生まれ、1889年に米国籍を取得した。 1893年、ニューヨークに Nepera Chemical Companyを設立、最初に画期的な印画紙(ガス灯による現像を可能とした)Veloxを開発し、1898年にEastman Kodak Companyに技術を売却した。 次いで、新しい電解槽の開発者のClinton P. Townsend に協力してパイロットプラントを建設、これがHooker Electrochemical Company(現在のオキシケムの一部)の母体となった。 その後、セラックニス(shellac :ラックカイガラムシが分泌する樹脂をアルコールに溶かしたもので、古くからインドや中国で木材の塗装に利用されてきた)の代替品つくりを目指し、その延長でフェノールとホルムアルデヒドからプラスチックの製造に成功、ベークライトと名付けた。 【ベークライト・発展の経緯と歴史】 ◇1906 特許取得 ◇1907 製造に成功 ◇1909 American Chemical Societyで発表 ◇1910/5/25 ドイツにJulius Rutgers の Rutgers AG と合弁で Bakelite GmbH を設立 ◇2004/10 Borden Chemical, Inc.(Apollo Management LP 子会社)がRutgers AG から Bakelite AG を買収 ◇2005 Borden Chemical, Inc.と Resolution Performance Products LLC の合併により Hexion Specialty Chemicals となる。 ◇1910/10/10 米国New Jersey州に General Bakelite Company を設立(のち Bakelite Company と改称 ◇1939 Union Carbide and Carbon Corporation に売却 ◇1911 三共商店品川工場で試作を開始 (日本で最初のプラスチック) ベークランド博士の親友だった高峰譲吉博士が、特許権実施の承諾を受けた。三共は高峰博士のタカヂアスターゼを技術導入して1899年に「三共商店」として設立された。 ◇1913 三共株式会社となり、初代社長に高峰博士が就任。 ◇1932年 ベークライト部門が三共株式会社から独立し、日本ベークライト株式会社となる。 ◇1955年 住友化工材工業株式会社と合併、住友ベークライト株式会社となる。 |