2006年02月20日 |
経産省の機能性化学品新技術開発予算が内定 |
マイクロ反応場利用部材等4テーマに25億円 |
【カテゴリー】:行政/団体(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省が財務省に要求していた機能性化学品の新技術開発の18年度の予算が内定した。内定額は、革新的マイクロ反応場利用部材の技術開発など4テーマ合計で24億9,000万円。同省では、これをNEDO(新エネルギー・産業技術綜合開発機構)を通して民間企業や大学で構成する共同開発グループに交付、18年度早々から技術開発活動をスタートさせる考え。開発期間はテーマによって異なり、最短の場合で3年、最長では5年となる。いずれのテーマもわが国の産業全体の高度化と社会の発展に大きな波及効果をもたらすことが期待されるもので、差し当たりテーマごとにどんな実施体制が整備されるかが注目される。 今回18年度分の国の補助金交付対象としての予算が内定した機能性化学品の新技術開発テーマは「革新的マイクリサイクル反応場利用部材技術開発」「超フレキシブルディスプレー部材技術開発」「先端機能発現型新構造繊維部材基板技術の開発」「次世代高度部材開発評価基盤の開発」--の4テーマ。 このうちの「革新的マイクロ反応場利用部材技術開発」は、マイクロ波効果(急速加熱・冷却、均一加熱、選択加熱等)やマイクロ空間等の特殊反応場を融合させて活性種生成場と反応場を分離・制御し、化学合成やプロセス等の分野に適用することで機能性ナノ粒子の迅速合成やプラスチックのモノマー化といった新産業を創出するとともに化学産業の省エネ・環境保全をも促すというもの。初年度の内定交付金額は6億円。研究開発期間は5年。 「超フレキシブルディスプレー部材技術開発」は、剛直ガラス基板にない柔軟性を持ちロールtoロールを可能にするフレキシブルなデバイス材料開発に貢献する部材技術ならびにプリント加工技術を開発することで次世代ディスプレー等の基盤技術を確立し、新産業の創出を図るというもの。これも製造工程の常圧・低温化によって大きな省エネ効果を上げることが見込まれている。18年度の内定交付金額は5億4,000万円。研究開発期間は4年。 「先端機能発現型新構造繊維部材基盤技術の開発」は、ナノオーダーの繊維状材料に対して微細な界面加工や複合化を行うことによって材料のパフォーマンスを高機能化し、高出力電池、スーパーキャパシタ、極低圧損失フィルター等のより高度な部材を創出する加工技術の基盤を確立するというもの。18年度の内定補助金額は9億円。研究開発期間は5年。 「次世代高度部材開発評価基盤の開発」は、(1)微細環境下のナノレベルでの材料間の相互影響まで評価可能な統合部材開発支援ツールを開発して従来の蒸着プロセスに代わる塗布型プロセスとそれに適合した材料を開発すること(2)情報通信機器の高機能化、低消費電力等の要求を満たす半導体集積回路用材料の開発基盤技術の構築ならびに半導体に適用する統合的材料のソリューション技術を確立しすること--の2つの目的を持つ。内定額は4億5,000万円。研究開発期間は3年。 |