2006年02月21日
アジアでPHの定修ラッシュがスタート
2〜6月で全設備能力の4割強が運休
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:なし

 極東地域におけるフェノール(PH)メーカーの間でこれまでに例を見ない規模の定修ラッシュがスタートした。口火を切ったのは台湾の長春石油化学で、同社では2月16日に年産20万トン能力のプラントを運休して定修に入った。運休期間は30日間となる見込み。

 日本、台湾、韓国の各国のPHメーカーも相次いで定修入りする予定で、これによって向こう4ヵ月で極東地域のPH総供給能力の40〜45%相当分が運休する見通しとなっている。欧米からの流入は極めて少量と見られているので、当面アジアのPH需給バランスは逼迫することになりそうだ。

 長春石化に続いて同じ台湾のFCFCでは、3月10日から40日間にわたって同22万トンプラント2基を運休する。次いで3月18日には千葉フェノールが同20万トン設備の定修に入る。運休期間は5月6日までの45日となる。長期運休となるのは、この間に同3万トンの手直し増強工事も合わせて実施するため。

 4月に入ると、韓国のクムホが同15万トン設備を1日から3週間運休、平行するかたちでLG石油化学が同18万トンプラントを止めて40日間の定修を実施する計画。さらに5月から6月にかけては三菱化学が鹿島の同25万トン設備を、また三井化学が大阪の同20万トン装置をそれぞれ約1ヵ月運休することにしている。

 対する需要は、中国をはじめアジア各国で活発化しているため、一部では深刻な品不足状態が顕在化しそうだ。