2002年05月30日
カーボンマイクロコイル、触覚インテリジェントセンサー
手の触覚で介護ロボットに利用
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:文部科学省

 カーボンマイクロコイル(CMD)をマイクロセンサーや電磁波吸収材などとして実用化する研究が進んでいる。ナノテクノロジー分野ではナノチューブの研究が脚光をあびているが、ヘリカル(らせん)材料としてのCMCについても来年春ごろまでに大幅な進展がみられそうである。
 
 CMCの研究開発は名古屋工業大学や岐阜大学などが中心となって取り組んでいるが、とくにCMCを用いた触覚インテリジェントセンサーに文部科学省の2002年度科学研究費1億5,000万円が拠出されることがきまったため、関係者の注目を集めているもの。
 
 同センサーは圧力センサーなどを使い皮ふ感覚(手の触覚のイメージ)の介護ロボットの組み立てが可能になるという。弾力性や温度の応答などのセンシング特性にすぐれた性能を発揮するとみられている。この介護ロボットの研究は岐阜大学工学部の元島栖ニ教授らの研究陣が推進している。
 
 CMCはマイクロメートルからナノ(10億分の1)メートル単位の大きさで特異ならせん構造をもつ炭素繊維である。100ギガヘルツ帯の電磁波をほぼ100%吸収し電力に変換したり、光や磁気、圧力、温度などの微妙な変化を電気信号として高精度に検出するなどさまざまな特性をもつ。ロボットでは引張ったり押したり、伸びちじみによってコイルにひずみが入って電流に変化を起こさせる。
 
 また、CMCの開発・実用化を支援する組織としてはカーボンマイクロコイル研究会、産学連携によるCMCの用途開発に関する研究会、カーボンマイクロコイル応用研究会、カーボンナノコイル研究会などがある。