2006年02月23日
三井化学ファブロ、4月に「ソーラエバ」の増設を完了
名古屋工場内でも6月から太陽電池封止シートを量産へ
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 機能性プラスチック加工製品の専門企業である三井化学ファブロがかねて同社名古屋工場で進めている太陽電池封止シート(商品名・ソーラエバ)の量産設備の新設工事がいよいよ4月中に完工の見通しとなった。生産能力は年産4,000トン。建設所要資金は約10億円となる見込み。商業運転開始は6月からとなりそう。
 
 今回同社が名古屋工場内に設置するのは、太陽電池の心臓部であるシリコン結晶電極(セル)を同電池表面の強化ガラスと裏面の高ガスバリア性バックシートで挟む際の封止材として用いられるEVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)製シートの製造装置。
 これまで同社では茨城県ひたちなか市の勝田工場内の3系列合計年産5,200トン設備で同シートを生産してきたが、需要の拡大に対応しきれなくなってきたため新たに名古屋にも生産拠点を設けることにしたもの。これによって「ソーラエバ」の総供給能力は4系列合計9,200トンとなる。もともと世界全体の市場でトップシェアを確保しているが、今回の大幅増設で事業基盤が一段と強化される。
 
 太陽電池の需要は世界各地で急拡大しており、この数年の年率成長率は30%強に達していると見られている。今後はシリコンの供給量に制約があるため伸び率が鈍化する見通しにあるが、それでも年率20%の成長は堅いというのが多くの関係者に共通した見方となっている。