2006年02月23日
旭化成ケミ、タイ・PTT社と石油化学製品 共同事業化
09年末稼動入り AN20万トン、MMA7万トンなど合弁で展開
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは23日、タイ国で天然ガス、石油精製、石油化学事業を展開するPTT Public Company Limited(本社:バンコク市)と、アクリロニトリル(AN)、メチルメタクリレート(MMA)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)をタイ国で共同事業化するため詳細検討を開始したと発表した。両社はこのほかにも提携、共同事業化の可能性について協議中である。

 旭化成ケミカルズは、競争優位事業・製品を中心にグローバル展開を積極的に進めてきたが、とくに今後需要の拡大が見込まれるアジア市場は、戦略的に極めて重要と位置付け、有力パートナーを求めていた。 
 
 PTT社は、タイの国営企業を前身として2001年に設立された同国最大の民間企業で、天然ガス田の開発から原油、石油精製、石油化学事業を展開しており、特にダウンストリームの基盤強化・拡大を積極的に進めてきた。
 
 今回両社のニーズが一致し、共同事業化の検討に入った。概要は以下の通り。
<ANの共同事業化>
(1)事業化形態 :製造・販売合弁会社
(2)出資比率  :未定(計画には丸紅も資本参加の意向)
(3)プラント能力:年産20万トン(旭化成ケミカルズは、これにより年産約100万トンの規模となり、世界最大手の米国Ineos Nitriles社(旧BP chemicals)と同等となる)
(4)目標稼働時期:2009年末
(5)採用技術  :当社が独自開発したプロパン法ANプロセスを採用。プロピレンを原料とする従来のANプラントに対しコスト優位性を確保(商業プラントとしては世界初)
(6)原料供給  :プロパンはPTTが供給

<MMAおよびPMMAの共同事業化>
(1)事業化形態  :製造・販売合弁会社
(2)出資比率   :未定
(3)プラント能力 :MMA年産7万トン、PMMA年産2万5千トン 
(4)目標稼働時期 :2009年末
(5)採用技術   :ACH法MMAプロセス(ANプラントからの副生青酸を活用、高いコスト競争力を確保する)
(6)原料供給   :アセトンはPTTが供給

【PTT Public Company Limitedの概要】
(1) 本 社:555 Vibhavadi Rangsit Rd., Chatuchak, Bangkok, Thailand
(2) 社 長:Prasert Bunsumpun
(3) 設 立:2001年10月
(4) 事業内容:下記の3グループに大別される。従業員4,807人(関係会社含む)
 ◇Oil Business Group(売上構成比:26%)原油の採掘・輸入。LPG、ガソリンの輸出入、販売等
 ◇Gas Business Group(売上構成比:62%)天然ガスの採掘および分離生産・販売等
 ◇Petrochemical & Refining Business Group(売上構成比:6%)石油精製および石油化学(エチレン、プロピレン等) エチレン生産能力 年産約110万トン
(5) 資本金:184,915百万バーツ(約5千2百億円)(2004年末)
(6) 売上高:644,673百万バーツ(約1兆8千億円)(2004年)

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1140678957.doc