2006年02月28日
日立化成、リチウムイオン電池用カーボン負極材で「基本特許網」
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:日立化成工業

 日立化成工業は28日、リチウムイオン電池用カーボン負極材の基本特許網を確立したと発表した。リチウムイオン電池は、従来の二次電池に比べて軽量、高エネルギー、長寿命なところから、最近は、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラなどに広く普及している。今後は、ハイブリッド型自動車用電源としても期待されている。

 同社のリチウムイオン電池用カーボン負極材は、従来のような扁平ではなく、球塊をしているのが特徴。このためリチウムイオンの移動がスムーズに行われ、従来難しかった高速充放電が可能となった。
 
 また、この独特の粒子形状が、リチウムイオンの移動による応力を吸収する役割を果たし、これによって電極の破壊が抑制され、長いサイクルでの使用が可能となった。現在ではこの性能が市場で高い評価を受け、世界1位のシェアを誇る。

 同社は、この負極材に関する発明特許を1995年から国内外で出願し、構造、物性、用途等多面的な視点でとらえて、特許網の構築に努めてきた。2003年には、これらの特許のうち複数について異議申立があり、その有効性を争ってきたが、特許庁はこのほどそれらの特許権を維持する旨の決定を行った。これにより、同社は外国特許を含む強固な特許網を確立した。

 同社は今後も、権利侵害に対しては毅然として対応していく方針。また、独自の技術として差別化を図り、市場優位性の維持、強化していくとしている。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1141104875.pdf