2006年03月02日
廃棄PETボトルの引き取りが依然低調
1月も前年同月の11.6%減の1万1,587トンに
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会が容器包装リサイクル法に基づいて全国の市町村から引き取っている廃棄(使用済み)PETボトルの数量が依然として低水準のままとなっている。
 1月の総引き取り数量は1万1,587トンで、前年同月の実績を11.6%下回った。平成17年度に入ってから10ヵ月連続しての前年同月割れである。
 
 この結果、昨年4月から今年1月までの累計は14万5,925トンとなった。前年同期の実績を11.7%下回っている。同協会による市町村からのPETボトルの引き取り数量は、同法の施行いらい毎年伸び続けてきた。9年度の1万4,014トンから始まり、10年度が3万5,664トン、11年度が5万5,675トン、12年度が9万6,652トン、13年度が13万1,027トン、14年度が15万3,860トン、15年度が17万3,875トン、16年度が19万1,726トンと推移してきた。しかし今年度は初めて前年度を下回るのがほぼ確実となっている。
 
 これには、市町村の中で分別収集と選別・保管に係わる費用のカバーを目的に対中国貿易トレーダーに分別収集ボトルの売却が大きく影響している。そうした動きは前年度半ばから次第に顕在化していたので、同協会と行政当局では今年度の引き取り目標量を前年度より7.8%少ない17万6,843トンに引き下げた。しかし、その目標も容易ではなくなっている。
 
 これに伴い、同協会の委託による再商品化(リサイクル)数量も低水準が続いている。1月の総再商品化数量は1万88トンで、前年同月の実績を3.4%下回っている。6ヵ月連続の前年同月割れとなっている。4月からの累計は12万3,933トンで、前年同期比は2.5%減となっている。

 原料不足のためリサイクル事業を継続できなくなって廃業に追い込まれるところがいくつか出たことが大きい。中でも大きく影響したのは、ボトルtoボトルのビジネスをスタートさせたばかりの帝人が原料の分別収集ボトルを確保できなくなって大型設備を運休せざるを得なくなったことだ。

 このことは、4〜2月計の手法別再商品化実績にはっきり現われている。ボトル化の数量は1万1,984トンで前年同期の41.1%減となっている。かつてはPETボトルのリサイクルのうち圧倒的多数を占めると誰もが予想したボトル化だが、設備規模が大きいため予期し得なかった原料不足のしわ寄せを受けた形である。このため、再商品化の場合も今年度は同法の施行後初めての前年度割れとなる公算が濃厚となっている。