2006年03月03日
BZのコントラクト価格、米国でも3月分は下降
需給緩和でガロン13セント安の273セントに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 ベンゼン(BZ)の米国における3月のコントラクト価格(USCP)は、ガロン当たり273セントに引き下げられることが決まった。トン当たりに換算すると819ドルとなる。
 
 当初、大手リファイナリーの中にはガロン310セントへの引き上げを主張するところもあったが、需要家各社が一斉に強く反発したことから、結局は2月比同13セント(トン当たり39ドル)安とすることで決着がついた。昨年8〜9月のレベルに戻ることになる。
 
 BZの価格は国際的に乱高下が続いている。USCPの過去2年におけるトン当たりのドル単位の推移を見ると、最安値は04年1月の515ドル、最高値は05年4月の1,160ドルで双方のギャップは実に645ドルにも達している。昨年1年も大幅な上下動を繰り返した。1月に792ドルでスタートしたあと急上昇して4月には1,160ドルとなったものの、その後は反落して8月には825ドルまで下がった。そして10月は930ドルに反発したがそれも一瞬で11月は705ドル、12月は654ドルに続落して年を越した。今年に入っても、1月が738ドル、2月が858ドル、そして今回決着の3月が819ドル--と引き続き不安定な状態が続いている。
 
 これには、最大の消費分野であるSMの世界全体の需給バランスと市況が短期間で激しく変動する事態となっていることが少なからず作用している。3月のUSCPの値下がりも、多くのSMメーカーが3〜5月に集中するかたちで定修を実施することに伴う需給バランスの大幅緩和によるもの。特にアジア地域の定修の集中が目立ち、このためBZ大手の新日本石油化学も3月のACP(アジア・コントラクト価格)を2月の767ドルから737ドルに引き下げている。