2006年03月03日
三井化学、アセトンの対中輸出価格を3月も引き上げ
2月比トン55ドルアップで需要家各社の同意得る
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はかねてから中国の大手塗料メーカーをはじめとした需要家各社との間でアセトンの3月の輸出価格交渉を進めていたが、このほどCFRトン当たり795ドルとすることで合意した。

 2月の価格は同740ドルであったので、55ドルのアップということになる。1月の同630〜650ドルをボトムに2ヵ月連続の修正となった。2ヵ月トータルの上げ幅は150ドル強ということになる。

 今回の値上げは、主原料のプロピレンの価格の高騰によって生じていた採算割れを解消するためのもの。当初、同社は同820ドルを提示して受け入れを迫ったが、中国の需要家各社が上げ幅の縮小を強く求めてきたため中間をとる決着となった。

 最近の石油化学製品の価格交渉の中では異例ともいえる大幅な引き上げが実現したことになる。これには、中国国内の需要が塗料向けを中心に順調に拡大してきたため、昨年8〜10月に米国から大量に流入していた過剰在庫が急速に縮小してきたためと見られる。

 同社では、関連製品のフェノールについても同じく再修正を目指して中国国内のフェノール樹脂メーカーなどの需要家各社と交渉中。