2006年03月09日
三井化学のPTAの対中輸出価格、若干の引き上げ
2月分、トン当たり895ドルで決着
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は8日、同社がかねて中国の大手ポリエステル重合企業との間で進めていたPTAの2月の輸出価格交渉がトン当たりCFR895ドルで決着したと明らかにした。1月の価格を同5ドル上回る。

 今回の交渉における同社の当初の提示額は同920ドルであった。原料PX(パラキシレン)の2月の価格が1月比90ドル高の同1,050ドルに引き上げられたため30ドルの値上げを打ち出したもの。しかし、中国のポリエステル各社がポリエステル繊維の国内需要の不振と市況の軟化を理由に上げ幅の圧縮を強硬に求めてきたことから譲歩した。
 中国では現在がポリエステル衣料の夏物の生産シーズンとなっている。しかし市場からの引き合いが弱く、また欧米向け輸出の伸びが小さいためポリエステル繊維の在庫が大きく膨らんでおり、このため最近の重合メカーの稼動率は65%ていどまで下がっているもよう。
 
 こうした背景から、三井化学など海外のPTAメーカーに対する3月分の引き合いも低調という。同社では3月分を同895ドルに据え置くことにして同国のポリエステル重合各社に通告している。中国側は値下げを強く求めてくる見通しなのでマラソン交渉となりそう。