2006年03月09日
東ソー、HDPE設備の改造工事に着手
メタロセン触媒で新品種を工業化へ
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーはこのほど、同社四日市工場内でHDPE(高密度ポリエチレン)設備の一部の改造工事に着手した。
 
 これは、同工場内の2系列合計年産12万5,000トン能力プラントの一つの同4万1,000トン設備を、従来のチーグラー系触媒対応型からメタロセン触媒とチーグラー触媒の両方の触媒が使えるタイプに改造しようというもの。工期はおよそ50日となる見通し。3月9日から4月16日までの間に実施されるエチレンプラントの定修・運休の期間を利用して工事を進める。
  
 4月末に完工、その後しばらく試運転したあと既存のチーグラー触媒法とメタロセン触媒法の交互生産方式による新品種の生産と市場開拓に乗り出す。同触媒によるHDPEは、わが国では旭化成ケミカルズが手掛けているだけ。しかし最近はプライムポリマーも技術を確立して市場開拓に入っており、東ソーがそれに続くとHDPEメーカー6社のうち3社が同触媒による新品種を企業化することになる。
 
 東ソーが開発したメタロセン触媒技術で生産されるHDPEは、既存のHDPEの短所であった溶融張力が極めて高い点が最大の特徴という。同社では、この強みを活かせる分野に的を絞って独自の市場を開拓していきたい考え。高強度繊維や高発泡製品などこれまでのHDPEにない新しい分野を需要家と共同で開発してきたいとしている。