2006年03月16日
三井化学、C3系溶剤3製品の価格を改定へ
ナフサ高などに対応、4月1日から7〜10%アップ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は16日、プロピレン系溶剤のアセトン、MIBK、IPAの3品目の国内価格を4月1日出荷分から7〜10%引き上げると発表した。
 
 今回の値上げは、昨年10月に各製品の価格をナフサ1キロリットル当たり4万4,000円見合いのレベルに引き上げたものの、その後のナフサ価格が昨年10〜12月期も今年1〜3月期も4万4,000円を大幅に上回るレベルに張り付き、しかも4〜6月期にはさらに上昇して4万7,500円となる公算が濃厚となってきたこととC重油等の用役費の上昇が軽視できない額に膨らんできたことに対応してのもの。半年にわたって逆ザヤが続いたうえにさらに4〜6月期も赤字となる事態だけは何としても回避したいとしている。
 
 各製品の1キログラム当たりの値上げ額は、アセトンが10円(アップ率7%)、MIBKが20円(同10%)、IPAが10円(同8%)となる。
 アセトンの上げ幅を同10円としたのは、ナフサ価格の上昇に伴うプロピレンの価格のアップ分の7円にC重油等の用役費の値上がり分の3円を加算する必要があるためと説明している。MIBKの20円アップは、アセトンのアップ分に原単位の1.3を乗じた金額に用役費の上昇分として6円50銭を加えることが必要となってきたからという。またIPAの上げ幅を10円は、ナフサ分の7円に原単位の0.7を乗じた金額に用役費の3円と採算是正分としての1円を合算して決定したと述べている。
 今回の同社のC3系溶剤の値上げ表明は、4〜6月期のナフサ価格の再上昇を見据えてのものとしては化学製品全体の中で最初の打ち出しとなる。同社によると、3品目のいずれも需要は着実に伸びていて同社の設備は全てフル稼働が続いているという。