2006年03月17日 |
PEとPPの出荷、品種によって好不調が鮮明に |
シートや射出品種は順調、フィルム用は低迷が長期化 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
ポリオレフィンの2月の国内向け出荷は3樹脂揃って前年同月を上回ったが、品種によって好不調の違いがこれまで以上に鮮明になってきた。シート用や射出成形用、さらには電線被覆用などが数ヵ月にわたって前年の実績を上回っている反面、フィルム用品種は3樹脂とも不調が長期化の傾向をたどっている。 今年に入っても好調を維持している品種としては、LDPEでは電線被覆用と押出し用、HDPEでは射出成形用(コンテナー用)とシート用、PPでは同じく射出成形用(コンテナー用)とシート用などが挙げられる。LDPEの電線用は1〜2月計の対前年比平均伸び率が約10%、押出し成形用は12%前後となったもよう。HDPEのコンテナー用は40%前後、シート用は14%内外になったと見られている。PPのコンテナー用は10%前後、シート用は12〜13%の伸びになった様子。いずれも05年後半からの継続成長といえる。 反面、フィルム用品種は軒並み長期低迷を続けている。LDPEのフィルム用は1月が10%減、2月が4%減で、HDPEのフィルム用は特に薄肉・強化フィルム品種の不振が目立ち、1月は16%減、2月は11%減となっている。PPのフィルム用は1月が8%減、2月は少し盛り返して1%減にとどまっているが、4ヵ月連続の前年同月割れとなっている。 ポリオレフィン企業の間では、こうした傾向を重視して今後はフィルム品種に対する依存度をできるだけ早く引き下げる方針を固めるところが多い。それに伴い、付加価値が比較的高くて成長が期待される品種へ重点が移ると見られる。 |