2006年03月17日
EGの4月のACP、850ドルに下降
中国の需要家の買い控えが影響
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 EG(エチレングリコール)のアジア地域向けの4月のコントラクト価格(ACP)は、トン当たり850ドルに決まった。プライスリーダーであるサビック・マーケティングとダウ・ケミカルが、大口ユーザーである中国のポリエステル大手企業の意向に沿うかたちで決定した。
 
 3月のACPは同890ドルだったので、4月は40ドルの値下がりとなる。アジアのEGのACPは、2月が前月比20ドル高の870ドルに、そして3月がさらに20ドル高の890ドルへと2ヵ月連続して上昇していたが、4月は再び昨年12月ならびに今年1月と同じレベルに戻ることになった。
 
 この要因についてわが国の大手商社やEGメーカーは、過去2ヵ月続いた輸入価格の上昇で採算を確保できなくなった中国のポリエステルメーカーが減産に乗り出すなり、在庫の食い延ばしによる輸入玉の買い控えにあると分析している。
 
 SHELL/CNOCCによる年産32万トンのEG設備の稼動開始が若干影響しているのではないかと見る向きも一部にはあるが、多くの関係者は、同設備で生産されるEGはこれまでシェルがカナダから輸入してきた製品を置き換えるにすぎないので全体の需給バランスを左右することにはならず、4月のACPに直接の作用を及ぼしていないと判断している。
 
 今後の価格については、最大消費国の中国の需要がポリエステル繊維向けを中心に2けたの伸びを続ける見通しにあるので比較的安定したかたちで推移すると予想する商社やEGメーカーが多い。