2006年03月20日
旭化成ケミ、C4法でもMMAモノマーの増産を検討
設備規模は10万トン、立地は原料面で有利な海外
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは、先に明らかにしたタイにおけるACH法のMMAモノマー計画の実現に先駆けてC4法による同モノマーの増産体制を構築すべく具体的な検討を開始した。

 タイでは、PTTや丸紅と提携してプロパン法AN(アクリロニトリル)の年産20万トン設備を09年末に建設するのに合わせて副生青酸を利用した同7万トンのMMAモノマー設備と同2万5,000トン能力のPMMA設備も同時期に立ち上げることにしている。この結果、同社グループのMMAモノマーの設備規模は同17万トンとなる。

 しかし、MMAモノマーの需要が液晶画面用導光板向けや透明樹脂向けを中心に中国をはじめとしたアジア全域で大きく伸びていて、タイの7万トン設備が完工する前に供給力不足が表面化する見通しとなってきた。そのため、量産設備をアジア地域内に建設したいと具体策の検討に入っているもの。

 技術は、同社が独自の研究で開発したイソブチレン法を採用したい考え。したがって立地は、C4の確保が困難な国内は避けて極東あるいはアセアン地域となりそうだ。設備規模は、コスト競争力の面から年10万トンを目指し、PMMA設備の増強も考えていく。ただし、立地は最終需要地を第一候補にしたい意向。このためモノマー設備とは別の地域を選ぶこともありえる。

 MMA事業部門は、同社にとってSMやANと並ぶ重要戦略ビジネス部門となっており、当面の重点戦略投資の対象にも挙げられている。