2006年03月24日
「世界の石油化学製品の需給動向」経産省発表
2010年の中国のエチレン生産能力 1800万トン
【カテゴリー】:行政/団体(実績/統計)
【関連企業・団体】:経済産業省

 経産省化学課は24日「世界の石油化学製品の今後の需給動向」(17年度版)を発表した。2004年の実績をもとに、2010年までの世界の石化製品の需給見通し(需要、生産能力、生産量)を策定した。
 
 2010年のエチレン需要量は、04年の104.2トンから29.7百万トン増えて134.0百万トンとなる。中国1カ国だけで需要は12.6百万トン増加する。
 
 日本のエチレンの需要はユーザーの海外移転などから、05年の5.7百万トンに対して2010年は5.5百万トンと、前年調査と同様、減少を予測している。
 
【世界のエチレン】
 世界のエチレン系誘導品の生産能力(エチレン換算)は2004年118.9百万トン。現時点で2010年までに稼動する可能性の高い生産能力の新増設計画に基づくと、2010年末の生産能力は158.8百万トン(04年比39.9百万トンの増加)で、年平均4.6%増加する見通し。
 
 中国の生産能力は04年の9.2百万トンから2010年には18.1百万トンに倍増する。日本をはじめ中国や韓国、インドなどを含むアジア全体では、04年の37.0百万トンから2010年には53.6百万トンとなる。

 中国のエチレン供給は増加するが、需要はPVCのアセチレンカーバイド法による影響もあり、供給を上回るエチレン増加が見込まれないことから、エチレン系誘導品の輸入超過は拡大しない。中東における輸出超過幅はさらに拡大し、2010年には18.0百万トンとなる見通し。
 
 【世界のプロピレン】
 プロピレン系誘導品の需要は04年の61.6百万トンから10年には80.3百万トンに増加する。年平均伸び率は4.5%。需要の伸びはアジア地域が年平均5.6%、国別では中国の伸びが最も大きく04年の9.7百万トンから10年には15.0百万トンに達する見込み。また、中東における輸出超過幅が拡大し2010年には3.8百万トンに達し、アジアの入超幅を上回る見通し。
 
 【世界の芳香族】
 2004年の需要はベンゼン37.0百万トン、トルエン16.6百万トン、キシレン24.5百万トンだった。2010年までの需要の年平均伸び率は、それぞれ3.7%、2.4%、2.0%の見込み。アジアでは供給増があることからベンゼンで若干需要が拡大するもトルエン、キシレンの需要超過は緩和する見通し。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1143186637.pdf