2006年03月28日
旭化成ケミ、新中計発表「戦略事業拡大へ積極投資」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズの藤原健嗣社長は28日、2006年度から始まる5カ年新中計「Growth Action-2010」を発表した。概要以下の通り。
 
 これまでの3カ年中計「ISHIN-05」が安定収益の確保を目標とし、事業基盤強化に力を入れてきたきたのに対して、新中計ではAN、MMAなどの戦略拡大事業を中心に「グローバル市場への本格拡大」を目標の第一に掲げた。
 
 ポートフォリオ戦略として、事業拡大により安定高収益を達成できる事業として、AN、MMA、合成ゴム・エラストマーをあげた。また、既存事業と先端市場とのリンケージにより拡大できる事業として、電池・エネルギー事業、水処理・システム事業を設定した。
 
 AN事業は、韓国・東西石化に建設中のプロパン法実証プラント06年末完成するが、タイにもPTT社とのJVで年産20万トンの大型プラント建設計画を進めている。2015年には各国合せて年産100万トン体制を確立する方針だ。
 
 MMAは成長市場のアジアに生産拠点を構築する。タイにPTT社とのJVでACH法による7万トンの新プラントを建設する。AN生産の際に副生する青酸が有効利用できる強みを活かす。直メタ法もα-プロセスなど最新の原料技術を活用し競争力を確保サル。現有年産10万トンを2010〜15年には20万トンに拡大する。
 
 石化・基礎化学品事業は、原料高と中東での大増設時代に生き残るための体制を3年以内に完成させる。水島のエチレンセンターは、分解炉のS&Bを計画する。原料を含むフレキシビリティ向上のため、隣接する三菱化学、ジャパンエナジー、新日本石油などと現在協議している。

 設備投資額については06〜08年の3カ年で計2,400億円の投資を行う。これまでの投資額は年間300〜400億円だったので、投資規模は2倍となる。グローバル市場で利益を確保しつつ拡大できる事業を強化していきたい。
 
【旭化成ケミカルズ・2010年度の経営目標】単位:億円 ( )は05年度予想
◇売上高    7,600(6,600)
◇営業利益   570(370)
◇営業利益率  5.6%(7.5%)

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1143598123.pdf