2006年04月04日
昭電のアセチル設備が一斉に定修入り
酢酸と酢ビの設備は能力の増強も
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は先月末に大分工場内で年産10万トン能力の酢酸設備を運休、定修に入った。運休期間は5月3日までの37日間。
 これで同社のアセチル3製品の設備全てが定修のため運休したことになる。最初に定修に入ったのは2工場合計同25万トン能力の酢酸エチル設備で、運休期間は2月22日から4月8日までの46日間。次いで、同12万トン能力の酢酸ビニル装置が3月14日から4月26日までの44日間にわたる長期定修を実施中。
 
 これに今回の酢酸プラントの運休が加わったことで、アジア地域のアセチル製品全体の需給バランスは一段と引き締まってきている。直近のスポット価格は、酢酸の中国向けがCFRトン当たり650ドル、酢ビの中国向けが同950ドル、東南アジア向けが950〜1,000ドル、酢エチの中国向けが同700ドル、極東・東南アジア向けが同830〜850ドルとなっている。年初に比べると酢酸は50ドル、酢ビは中国向けが50ドル、東南アジア向けが30ドル、酢エチは80ドル上がっている。
 
 また、今回の同社の一連の定修で注目されるのは、酢ビと酢酸の設備がともに運休期間中に手直し増強される点だ。酢ビの設備は新触媒への切り替えと手直し工事で同5万5,000トン増の17万5,000トン能力となる。酢酸の装置は同じく高活性触媒への転換によって3万トン増強されて13万トン能力になる。これによって、一昨年春の酢エチの大幅増強を皮切りとしたアセチルファミリー全体の国際競争力強化のための増産体制の構築は一段落することになる。