2006年04月06日
PTAメーカー、4月の対中輸出価格を底上げへ
三菱化学、BPケミがトン870ドルを提示
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学やBPケミカルなど大手PTAメーカーは、先週末から相次いで中国のポリエステル企業に対して4月の輸出価格の底上げを表明して説得を開始した。

 多くのPTAメーカーがCFRトン当たり870ドルを提示している。3月分の価格は860ドル前後となっているので、4月のノミネート価格はわずか10ドルアップということになる。しかし、中国のポリエステル企業は2月以降特に厳しくサプライヤー各社に値下げを要求し続けてきているので、説得は容易でないとの見方が支配的である。
 3月末に決着した3月分の価格は、多くのサプライヤーが同895〜920ドルを提示したのに対して中国側が2度にわたって強力に値引きを要求してきたため最終的にはPTA各社とも2月分より同35ドル前後安いレベルでの決着を余儀なくされた。中国側がここにきて特に強く値下げを求めてきているのは、ポリエステル繊維の需要が内外とも不振で重合メーカーの段階の在庫が過剰状態になっているためと見られる。現に2月のPTAの輸入通関数量は46万9,739トンで、前年同月の実績を17.2%下回っており、3月も同様に前年を大きく下回った模様。
  
 4月分の価格は、中国国内の在庫が2〜3月の輸入の抑制でどのていど縮小するかによって大きく左右される。